女性の薄毛と男性の薄毛ではメカニズムが全く異なる

女性の薄毛と男性の薄毛

女性の薄毛には「女性専用」の薄毛対策!

育毛剤や育毛シャンプー、サプリなど薄毛対策の商品が多く出回っていますが、その大部分は男性用のものになります。実は、この「男性用」という部分が非常に重要であり、商品自体が「男性用」とうたっていなくても、それらの商品が、そもそも女性に対して効果を発揮しづらい場合がほとんどなのです。
それというのも、実のところ、男性の薄毛と女性の薄毛では、根本的な原因が大きく異なるのです。だから、男性の薄毛の原因に着目した育毛剤を女性が使用しても、効果が出づらいのは極めて当たり前の事であって、それはたとえば、おなかが痛いときに鼻づまりの薬を服用して効果を期待するようなものです。要するに、腹痛には腹痛用の薬があるように、女性の薄毛に対しては当然、「女性用」の育毛剤やシャンプーなどが存在すべきなのです。

 

では、女性用の薄毛対策を検討する前に、まずは男女の薄毛の違いについて解説してみましょう

男性の場合、大きな特徴として、額から薄毛が進行するM型脱毛症や頭頂部から進むO型脱毛症、もしくはその両者が同時に発生する脱毛症の傾向が見られます。どのような脱毛症にしても、毛髪が完全に抜け落ち、頭皮が露出されてしまうケースがほとんどであり、それこそが男性の薄毛の最大の特徴といえます。


一方、女性の場合、頭皮が露出するような男性型の薄毛はむしろ珍しく、どちらかといえば、毛髪全体が細くなる、ボリュームがなくなる、髪の分け目が目立つといったような、いわゆる「びまん性脱毛症」とよばれる症状に該当することが大半のようです。

 

では、男性の薄毛と女性の薄毛の間に、どうしてこのような違いが生まれるのでしょうか?
まず、男性の薄毛には、男性ホルモンが大きく影響する点が考えられます。男性ホルモンの一種である「テストステロン」は「5α-リラクターゼ」とよばれる酵素に結びつくと「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変化します※。つまり、「テストステロン+5α-リラクターゼ=ジヒドロテストステロン(DHT)」という数式が成り立ちます。そしてこの「ジヒドロテストステロン(DHT)」は、恐ろしいことに、毛髪の毛母細胞を攻撃・破壊する能力を持っているのです。ジヒドロテストステロン(DHT)に攻撃された毛髪は次第に細く弱々しいうぶ毛となり、やがては抜け落ち、ついには新たに毛髪が生えなくなってしまうのです。
このようなメカニズムがあるために、男性の薄毛は、M型やO型に代表されるような頭皮の露出する薄毛現象が起こりやすくなるのです。
※ちなみに、テストステロンと5α-リラクターゼがどうして存在し、なぜ結合して脱毛作用を持つようになるのか、詳しいことはまだ分かっていないようです。

 

一方で女性の場合、そのメカニズムは大きく異なります。女性の体には女性ホルモンである「エストロゲン」が存在します。この「エストロゲン」は、女性の毛髪を成長させ、太く頑丈な髪を維持する働きを持ちます。女性の美しい髪を支える立役者といえるでしょう。しかしながら、エストロゲンは年齢とともに徐々に減少していくため、毛髪は次第に元気を失い、全体的に細くなり、毛髪の数も少なくなってしまいます。
それに加え、実はこっそりと女性の体の中にも眠る男性ホルモン「テストステロン」(脱毛効果のあるジヒドロテストステロン(DHT)に変化するホルモン)が、加齢とともに台頭し、「エストロゲン」よりも活発に働きまわるためではないかといわれています。
しかしながら女性の場合、男性ホルモンの量は圧倒的に少ないため、頭皮が露出するほどの影響はないことから、全体的にボリュームが減るような「びまん性脱毛症」になりやすいのです。
そして女性の最大の特徴は、男性がホルモンの影響を大きく受けるのに対し、女性の場合はホルモンや遺伝というよりは、どちらかというと外的要因、たとえば生活習慣や食生活が密接にかかわってくるという所にあります。要するに、外的要因が薄毛を進行させているケースが多く、裏を返すと、外的要因さえ取り除いてしまえば、治療の可能性が比較的高いといえるのです。

 

以上のように、男性の薄毛と女性の薄毛では、根本的な原因・メカニズムに大きな違いがあります。それらを踏まえて薄毛対策を考えていかなければ、効果は期待できなくなってしまいます。頭痛には頭痛薬が効果的であるように、「女性の薄毛」には「女性の薄毛対策」を追求する必要があるのです。